銀行におけるコールセンターの3つの課題!外部委託するメリットと活用例も解説

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銀行のコールセンター業務においては、金融商品の複雑化や非対面での営業機会増加によりオペレーターの負担増加・リスク管理などに課題を抱えています。加えて人員削減も重なり、コールセンター業務の外部委託を検討する銀行が増えています。

そこで今回の記事では、コールセンターに委託できる銀行業務やメリットを紹介します。具体的な活用例についても触れているので、銀行業務の外部委託を検討中の方はぜひ参考にしてみてください。

目次

コールセンターに委託できる銀行業務

コールセンターに委託できる銀行業務は「インバウンド業務」と「アウトバウンド業務」です。この章では、それぞれの詳しい業務内容について見ていきましょう。

インバウンド業務

インバウンド業務は、顧客からの問い合わせに対応する受電業務です。インバウンド業務には、すでに口座を持っている方と新規に口座開設を行いたい方への対応があります。口座を持つ方への具体的な対応内容は、以下のとおりです。

  • 口座残高の照会(登録番号への折り返し電話でのみ対応)
  • 口座振替の手続き案内
  • 住所変更・名義変更
  • 定期預金
  • 各種ローン(住宅ローン・不動産担保ローン・カードローン)
  • カード・通帳の紛失
  • 相続
  • ネットバンキングのログイン・認証
  • 金融犯罪被害に関する相談

問い合わせ内容は多岐にわたり、本人確認必須のものや緊急性の高い業務もあります。カードまたは通帳の紛失や金融犯罪被害に関する問い合わせは、より迅速で的確な対応が必要です。コールセンター業務を専門に請け負う受託事業者であれば、緊急性の高い問い合わせなども対応できる体制があります。

新規口座開設に関する問い合わせでは、必要な手続きの案内や書類不備があったときのお知らせ業務を委託できます。よくある問い合わせは、以下のような内容です。

  • 新規口座開設の方法
  • 家族名義の口座開設が可能かどうか
  • 口座開設に必要な書類について
  • 複数の口座開設ができるかどうか
  • 口座開設にかかる手数料の有無

銀行の問い合わせ対応は広範囲かつ多岐にわたりますが、コールセンター業務を専門に請け負う受託事業者であれば全面的に委託できます。

アウトバウンド業務

アウトバウンド業務とは、銀行側から顧客に向けて、金融商品や便利なサービスを紹介する架電業務です。アウトバウンド業務では、以下のような金融商品を紹介します。

  • 定期預金
  • 投資信託
  • 個人年金保険
  • 外貨定期預金
  • 公共債
  • 個人型確定拠出年金
  • 保険
  • ローン

紹介するサービスは銀行によって異なりますが、主に以下のようなものがあります。

  • インターネットバンキング
  • 会員制サービス(他行宛振込手数料やATM手数料無料などが特典)
  • 貸金庫
  • 金融商品仲介

金融商品の案内を行う際は、生命保険募集人や証券外務員など資格が必要な業務もあります。金融商品の案内をアウトバウンド業務で行う際には、生命保険募集人や証券外務員などの資格や銀行代理業の許可を受けることが必要な業務もあります。

銀行が抱えるコールセンター業務の3つの課題

銀行のコールセンター業務では、品質管理や金融商品の複雑化などによりさまざまな課題を抱えています。ここでは、代表的な課題について理解しておきましょう。

金融商品の複雑化

銀行が提供する預貯金や投資信託などを総称して「金融商品」と呼びます。近年ではお金を貯める・増やすための顧客行動が多様化し、それに伴い金融商品も複雑化しています。オペレーターは金融商品に関する研修や教育を受け知識を身に付けますが、社会情勢や需要に合わせて変化するたびに学び直しが必要です。

また専門的な知識を持たない顧客に対して金融商品の特徴や良さを分かりやすく伝えるためには、より深く内容を理解しておかなければなりません。金融商品の内容が更新されるたびに学び直しが必要なため、オペレーターへの負担が大きいことが課題です。

非対面による営業・サポートサービスの強化

新型コロナウイルス感染症拡大を機に、顧客行動や従業員の働き方の変化により非対面によるサービス提供の需要が高まっています。銀行側ではアプリ活用やリモート相談など、非対面による営業・サポートを強化する動きが加速しています。非対面サービスを拡充するためには、人員配置の最適化を図りコールセンターでのサポートサービスの強化が必要です。

そのためオペレーターは従来のコールセンター業務に加えて、これまで窓口で行っていたサポートや営業活動を行わなければなりません。業務内容がより広範多岐にわたるため、オペレーターへの負担は大きくなります。また非対面でのサービス提供では、なりすましなどの犯罪対策強化も求められるため、リスク管理の高度化への取り組みが不可欠です。

電話応対業務における品質管理

非対面によるサービス提供の加速に対応するための人員増加により、これまでの管理体制では十分な品質チェックが行えない可能性があります。
コールセンターの品質管理は、主に以下の4項目をチェックします。

  • 応対品質:回答の正確性、言葉遣いの適切さなど
  • 接続品質:応答率など
  • 運用品質:離職率、占有率など
  • 処理品質:1件あたりの平均処理時間(AHT)、ミス発生率など

問い合わせ内容が広範囲で多岐にわたる銀行のコールセンターでは、各オペレーターの知識やスキルが品質に大きく影響するため定期的なチェックが必要です。品質管理は、専任の管理者やSV(スーパーバイザー)が行っています。コールセンターの品質は銀行全体のイメージにつながるため、適切かつスムーズな対応が求められます。

インバウンド業務においては、顧客の待ち時間を減らすスムーズな電話応対が求められるため、十分な人員確保とオペレーターの品質向上が欠かせません。アウトバウンド業務においては、オペレーターのトーク力やセールススキルが求められます。

銀行のコールセンター業務を外部委託するメリット5選

銀行のコールセンターでは、金融商品の複雑化や非対面によるサービス提供の加速といった前述の課題に直面しています。課題を解決する手段として、コールセンター業務の外部委託が注目されています。この章ではコールセンターを業務委託するメリットを紹介しますので、コールセンター業務の課題解決の手段として検討してみてください。

応対品質の向上

コールセンター業務を専門に扱う受託事業者には、高度なスキルと豊富な知識を持ったオペレーターが在籍しています。電話応対のプロであるため、迅速で丁寧な対応によりコールセンターの応対品質向上が期待できます。

外部委託であればオペレーターやコールセンター全体の品質管理も同時に行ってくれるため、銀行側の負担軽減に効果的です。銀行側は品質管理の時間と手間を抑えて、コールセンターの課題解決を図れます。

業務効率化

コールセンター業務を外部に委託することで、行員は店舗の窓口対応や対面営業などコア業務に集中できます。店舗に来店している顧客対応に集中できるので、混雑回避と営業効率を高められるのがメリットです。専門性の高い問い合わせにも対応できる受託事業者であれば、コールセンター内での完結率が高まり行員の業務負担軽減と効率化が可能です。 また緊急連絡や督促業務を円滑に行うために、SMS(ショートメッセージサービス)の活用が注目されています。「NTTネクシア」ではSMS配信によるローン返済日の案内などを行い、遅延防止と支払いが遅れたお客さまに対する督促業務の負担軽減が図れます。コールセンター業務の外部委託を検討している銀行さまは、下記の導入事例も参考にしてみてください。

導入事例:各営業店代表電話の集中受付業務

売上向上

銀行の売上には、以下のようなものがあります。

  • 企業や個人への融資金利
  • ATMキャッシング手数料
  • 投資信託の販売手数料
  • 保険商品の販売手数料
  • 有価証券運用

これまで銀行はお客さまから預かった貯金を資源として、個人や法人に融資した際の金利が収益を生んでいました。個人向けの主な融資は、住宅ローンやマイカーローンなどです。法人においては、事業運営に必要な資金調達のための取引が行われます。しかし近年は融資金利だけでなく、投資信託や保険商品の販売手数料を収益源とする銀行が増えています。

そこで、既存顧客へのアップセル・クロスセルの戦略的な実施が効果的です。顧客単価の向上が期待でき、銀行全体の売上アップにつながります。また新規顧客開拓まで手が回らないという場合においても、インサイドセールスのサービスを提供している受託事業者に依頼することで売上向上が期待できるでしょう。

アウトバンドコール(アップセル/クロスセル)

アウトバンドコール(インサイドセールス)

マネー・ローンダリング対策の強化

マネー・ローンダリングとは、麻薬取引や脱税など不正な手段で取得した資金を隠すために行われる犯罪行為です。資金洗浄とも呼ばれており、複数の口座を転々と移していき不正取得した資金の出所をわからなくする手法です。銀行は口座が不正使用されていないかを監視し、マネー・ローンダリング対策の強化を求められています。なお、金融庁は2024年3月末までに対策するよう金融機関に求めています。

マネー・ローンダリング対策まで含めて外部委託すれば、取引内容の監視やお客さま情報の確認などに人員を割く必要がありません。リスク管理や犯罪対策に強みを持つ受託事業者であれば、高度化する金融犯罪に対しても適切な対策が期待できます。

リモートワークの実現

新型コロナウイルス感染症拡大をきっかけに、多くの企業でリモートワークの導入が進んでいます。リモートワークには、優秀な人材の確保や固定費の軽減など多くのメリットがあります。また働き方改革に対応するためにも、リモートワークの導入は欠かせません。

コールセンター業務を請け負う受託事業者は、クラウド型のシステムを利用している場合が多いです。クラウド型に移行するには専用のシステムが必要ですが、外部委託することでスムーズにクラウドPBXやクラウドCTIの導入を行えます。

セキュリティ対策も受託事業者が行うので、不正アクセスなどのリスク管理も可能です。外部から社内システムにアクセスできる環境整備に加え、高度なセキュリティ対策を行える受託事業者に依頼することでリモートワークの実現にもつながります。

まとめ

銀行のコールセンター業務は、金融商品の案内や口座開設に関する問い合わせ対応など多岐にわたります。近年は金融商品の複雑化や非対面営業の加速に伴い、オペレーターの業務負担が大きくなっています。

そこでコールセンター業務を外部委託して専門的な知識とスキルを持つ人材に任せることで、応対品質の向上や業務効率化が期待できます。NTTネクシアではこれまでの電話応対の実績を活かし、銀行さまの課題解決につながるサービス提供が可能です。

また戦略的なアップセル・クロスセルにより、ローン獲得や保険商品の販売などを強化し銀行全体の売上向上に貢献します。インバウンド・アウトバウンド業務に課題を抱えている銀行さまは、ぜひ「NTTネクシア」へご相談ください。

アウトバンドコール(アップセル/クロスセル)

アウトバンドコール(インサイドセールス)

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