FAQとは「よくある質問と回答集」コールセンターでの導入メリットと作成方法の5ステップ

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画像:FAQとは「よくある質問と回答集」コールセンターでの導入メリットと作成方法の5ステップ

デジタルツールの普及とともに、Webサイト上で問題解決を図る「FAQ」が活用されるようになりました。FAQは社内向けと社外向けに活用されており、業務効率化や顧客満足度向上に貢献しています。一方で、似ている用語に「Q&A」があり、違いが分からず混同しているケースもあるでしょう。

そこで今回の記事では、FAQとQ&Aの違いについて解説し、導入するメリットを社内・社外に分けて紹介します。また、FAQを作成する際の5つのステップを解説しますので、自社での導入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

目次

FAQとは?Q&Aとの違いを解説

画像:FAQとは?Q&Aとの違いを解説

顧客の自己解決率を上げる手段として、FAQを活用している企業が増えています。似た用語にQ&Aがあり混同されやすいですが、厳密には決定的な違いがあるので正しく理解しておきましょう。

FAQとは

FAQ(Frequently Asked Questions)は「頻繁に尋ねられる質問」と訳します。実際に寄せられた質問に対しての回答のまとめであり、言葉どおり「よく尋ねられる質問」を厳選しているのが特徴です。また、尋ねられる頻度順に並べられている場合もあります。FAQには「顧客向け」と「社内向け」の2種類があります。

顧客向けのFAQは、自社のWebサイトなどに設置してよくある質問に対応するのが一般的です。ECサイトや公式HPに設置することで、24時間365日質問に答えられます。顧客向けは質問が多岐にわたるため、広範囲の質問と回答を想定したFAQが必要です。

社内向けのFAQは、日々の業務において疑問が発生した際に、従業員が各自で自己解決できる仕組みづくりとして作成されます。主な目的は、バックオフィス業務や情報システム部門の業務効率化です。なかでも、コールセンター部門では業務効率化に加えて応対品質の向上を目的としています。

Q&Aとの違い

Q&A(Question and Answer)とは「質問と答え」を意味しています。FAQと同様、一問一答形式で疑問を解決できますが、質問の頻度は加味しない点が異なります。FAQが顧客から寄せられた質問を集めているのに対し、Q&Aは企業側が想定した質問に対する答えを含んでいる点が特徴です。

よく使われているのは、商品の取り扱い説明などマニュアルに関する質問です。顧客が抱きやすい疑問を用意しておき、自己解決率を高めます。Q&Aは質問を網羅的に設定しているため、FAQより情報量が多くなる傾向にあります。

FAQシステムを導入するメリット4選

画像:FAQシステムを導入するメリット4選

コールセンターでは人材不足や応対品質のバラツキなど、さまざまな課題を抱えている企業が増えています。そこで、コールセンターの課題解決に繋がり、多くのメリットを得られるツールとして注目されているのがFAQシステムです。

FAQシステムは、顧客や社員からの質問と回答のデータを蓄積・分析してFAQを自動作成したり、高度な検索機能などを備えたりして、利便性を高めています。さらに業務効率化やFAQに掲載する質問・回答の最適化ができるのもFAQシステムの魅力です。

FAQシステムの主なメリットには、以下のようなものがあります。

【社内向け】

  • エスカレーション減少による業務効率化
  • 応対品質向上

【社外向け】

  • 顧客満足度の向上
  • 顧客ニーズの分析

ここでは、コールセンターにFAQシステムを導入する5つのメリットを、社内向けと社外向けに分けて紹介します。

【社内向け】エスカレーション減少による業務効率化

コールセンターのマニュアルとしてFAQを活用することで、オペレーター業務のサポートが可能です。お客さまからの質問への回答に迷ったとき、SV(スーパーバイザー)へエスカレーションすることなく、オペレーターが自分で答えを探すことができ、応対時間の短縮につながります。SVにとってもエスカレーション対応稼働が削減できれば、効率の良いコールセンター運営が可能となります

また、顧客が利用するFAQを整備することでも、顧客の自己解決率が上がり、コールセンターへの入電量の減少が見込めます。そのため、FAQの導入は、コールセンターの業務効率化に有効です。

【社内向け】応対品質向上

コールセンターの応対品質は、オペレーター個人の力量により大きく左右されます。そこで、オペレーター向けのFAQを活用することで、個人の力量による応対のバラツキをなくし、品質向上や標準化がしやすくなります。

オペレーター教育やトレーニングによりバラツキをなくすのは大変ですが、充実したFAQがあれば、新人オペレーターでもスムーズな問い合わせ対応が可能です。FAQを利用したマニュアルの導入は、コールセンター全体の品質向上に役立つでしょう。

【社外向け】顧客満足度の向上

Webサイト上などにFAQを設置することで、顧客満足度の向上が期待できます。24時間365日、いつでも顧客の疑問を解決できるようになるので、顧客が必要とするタイミングで回答を提供できます。FAQですべての質問に回答することは難しいですが、顧客が簡単な質問でコールセンターに電話する手間は減らせるでしょう。

また、コールセンターの顧客満足度を低下させる原因の1つが「電話のつながりにくさ」です。待たされる時間が長いことで、顧客は非常に大きなストレスを感じます。多くの疑問をFAQで解決できるようになれば、すぐに回答を得られ不満を軽減できます。難しい質問はこれまで通り電話で対応し、定型化できる疑問はFAQを利用することで、満足度の高いコールセンターを実現できるでしょう。

【社外向け】顧客ニーズの分析

FAQシステムの集計・分析機能を活用することで、顧客のニーズ把握にも役立ちます。検索キーワードやコンテンツごとの閲覧数を集計できるため、多く検索された内容に顧客ニーズがあると判断できます。FAQシステムで集計したデータは実際の行動から得られるため、よりリアルな顧客ニーズの把握が可能です。そのため、顧客ニーズに寄り添った商品開発やサービス改善に活用できます。

また、疑問が解決されたかを確認する機能を設置することで、FAQに対する評価の収集・分析が可能です。FAQの評価を行うことで、記載内容や機能が顧客にとって有用なものであるかを知ることができます。

FAQシステムを導入する際に注意するポイント

画像:FAQシステムを導入する際に注意するポイント

多くのメリットを得られるFAQですが、使い方によっては正しい回答が得られず利用されなくなってしまう場合があります。特に、回答を見つけるまでに時間がかかってしまうようなFAQでは、顧客離脱を招く可能性が大きくなります。ここで紹介する注意点を踏まえて、自社にFAQシステムが向いているかを検討することが大切です。

導線設計が重要

FAQシステムの利点は、知りたい情報をすぐに見つけられる点です。しかし、導線設計がきちんとしてないFAQは、回答探しに時間かかってしまいます。また、FAQシステムの検索機能の精度が低い場合や、知りたい情報が設定されていなかった場合は適切な回答を得られないため、顧客の満足度の低下を招きます。

カテゴリー機能やキーワード検索機能など、目的の情報にスムーズにたどり着ける仕組みを作ることが重要です。キーワード検索機能を利用する際は、専門用語は避けて顧客がよく使う言葉を使用すると見つけやすくなります。

費用対効果を事前に検討する

FAQシステムを導入する方法は、オンプレミス型とクラウド型があります。それぞれ、初期費用や月額料金がかかりますので、事前に費用対効果を検証しておくことが大切です。

オンプレミス型は、初期費用が1000万円~と導入費用が高い傾向にあります。さらに、保守運用費が月10万円程かかります。自社に合わせたサーバー構築を行うため、自由なカスタマイズができます。

クラウド型は、初期費用は120万円~、月額料金が10万円程とコストを抑えられる導入方法です。オプションによるカスタマイズは可能ですが、オンプレミス型と比べ、カスタマイズの自由度は低くなります。そのほか、クラウド型のメリットとして構築期間の短さや利用状況に合わせた柔軟な料金プランの変更ができるなどの特徴があります。

それぞれの導入費用を試算し、費用対効果は十分かを検証することが大切です。費用が安くても、機能性が低い場合は効果を得られにくいので総合的に判断する必要があります。

効果的なFAQを作成する手順5ステップ

画像:効果的なFAQを作成する手順5ステップ

ここでは、FAQを作成する5つのステップを紹介します。

  1. 質問の抽出
  2. ABC分析による質問の整理
  3. 質問と回答の紐付け
  4. FAQのレギュレーション整備・運用
  5. PDCAによる定期的な見直し

FAQは利用されてこそ効果を発揮します。そのためには、FAQを作成する各ステップにおいて緻密な作業が必要です。各ステップのポイントを解説しますので、FAQ作成時の参考にしてみてください。

1.質問の抽出

まずは、これまでに寄せられた質問と回答を抽出し、顧客のニーズを網羅的に把握します。FAQ作成に必要な「よくある質問」を集められる場所は、以下のようなものがあります。

  • 電話
  • Webフォーム
  • メール
  • チャット

実際にあった問い合わせを漏れなく集めることで、より精度の高いFAQとなるでしょう。また、上記以外にもVOC分析サービスから、顧客の声を集めることができます。

VOC(お客さまの声)分析サービス

2.ABC分析による質問の整理

ABC分析とは、多くの中から重要度に基づき分類していくことです。抽出した質問を、重要度と優先度が高い順に並べ替えます。ABC分析を行い整理することで、問い合わせの多い商品やサービスを発見しやすくなります。さらには、機能や修理など顧客が疑問を抱きやすいポイントが明確になり、充実したFAQ作成が可能です。

また、すでにFAQを設置している場合にもABC分析は役立ちます。閲覧数の多い質問を優先的に表示するなど、定期的に見直し改善していくことで有用性の高いFAQとなるでしょう。

3.質問と回答の紐付け

質問の抽出と整理が完了したら、適切な回答を紐付ける作業に入ります。回答の材料となる情報は、以下のような媒体で集められます。

  • マニュアル
  • 商品カタログ
  • 仕様書
  • Webサイトの掲載内容
  • サービス案内

質問に対して正確な情報を掲載するため、各部署との連携を図り最適な答えを得られるようにしておくことが大切です。商品スペックや製品の詳細な情報など、専門的な質問には関係部署との情報共有が欠かせません。特に、新商品発売時やサービス開始後は顧客からの問い合わせが多くなると予測されるため、迅速なFAQ作成ができるよう密に連携をとっておきましょう。

4.FAQのレギュレーション整備・運用

FAQの作成で重要なのは「分かりやすい」ことです。特に、Webサイト上など顧客向けのFAQは、専門用語を多用すると分かりにくく、離脱の原因になるので注意しましょう。FAQにはキーワード検索機能があり、知りたい情報にたどり着きやすいため大変便利です。

しかし、設定したキーワードが顧客に使われない言葉だとヒットしません。せっかくの便利な機能が無駄になってしまうので、設定するワードは顧客がよく使う言葉を選びましょう。また、レギュレーションを統一し、顧客が理解しやすい言葉・説明となるFAQを作成することが大切です。

5.PDCAによる定期的な見直し

FAQは1度作って終わりではなく、時間の経過とともに問い合わせの内容や求められる回答は変化していきます。情報が古いままでは顧客が知りたい情報を得られず「結局コールセンターに問い合わせる」などの事態を招きかねません。そのため、常に顧客ニーズの変化を把握し、求めている情報を提供できるFAQに成長させることが大切です。

また、FAQを設置したにも関わらずコールセンターへの問い合わせが減らない場合は、設置場所に問題がある可能性が高いです。定期的にPDCAサイクルを回し、質問の内容や設置場所を検証する必要があります。また、新商品や新サービスが追加されるタイミングでは、新しい情報を随時加えていきましょう。効果的なFAQを設置するためには、定期的な見直しが必要不可欠です。

FAQで解決できない場合は他チャネルとの連携を考えよう

画像:FAQで解決できない場合は他チャネルとの連携を考えよう

「よくある質問」にFAQで対応することで、顧客の自己解決率を高めます。そうすることで、オペレーターの負担を軽減し、コールセンターの業務効率化に貢献します。しかし、すべての質問に答えられるわけではないため、オペレーターや他のチャネルとの連携を意識して設置することが必要です。

「NTTネクシア」では、コールセンターの業務効率化を図るチャネルを多数ご用意しております。FAQとSMSなどを組み合わせた「Webセルフ応対」では、自己解決率向上を図ります。そこで解決できなかった問題は、チャットを活用した個別対応が可能です。

さらに、電話やメールでも深いコミュニケーションを図り、すべての問い合わせに対応しています。顧客満足度の向上と業務効率化を両立できるチャネルをお探しの企業さまは、お気軽に「NTTネクシア」へご相談ください。

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