自治体DXの先進事例3選!推進するうえでの課題やBPOを活用する3つのメリットを解説
近年、自治体においてもデータやデジタル技術を活用して住民サービスの向上をめざす「自治体DX」が推進されています。しかし、自治体DXを推進するには解決すべき課題があります。そこで、自治体DXの課題解決の手段として注目されているのが「BPO」活用です。
今回の記事では、自治体DX推進における課題とBPOを活用するメリットを解説します。自治体DXの先進事例も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
自治体DXが推進される背景
令和4年6月に「デジタル社会の実現に向けた重点計画」が閣議決定されました。その中で、これからの日本が目指すべきデジタル社会の実現に向けて、住民生活に関するサービスを提供する自治体のDXが極めて重要な役割を果たすと考えられています。
自治体DXを推進するにあたり、「デジタル社会の実現に向けた重点計画」は以下のことを求めています。
- 自治体が行う行政サービスおいてデジタル技術やデータを活用し、住民の利便性向上を図る
- デジタル技術やAIなど活用して業務効率化を図り、人的リソースを行政サービスのさらなる向上へとつなげていく
日本では少子高齢化に伴う労働人口の減少により、自治体においても人材不足の問題を抱えています。限られた人的リソースの中で住民サービスの品質維持・向上をめざすためには、デジタル技術を活用し業務効率化を図るとともに職員の負担軽減を図る必要があります。
さらに住民ニーズの多様化や社会的な環境変化に対応するためには、データを活用した住民のニーズに合ったサービス提供が求められます。
自治体DXにおける3つの課題
自治体DXを推進するにあたり、解決すべき課題がいくつかあります。多くの自治体に共通している課題は、以下の3つです。
- DX人材の不足
- 根強く残る紙ベースの業務フロー
- デジタル技術活用に対する市民・住民の理解度の格差
自治体DXが思うように進んでいない場合は、問題点と向き合い課題を解決する取り組みが必要です。
DX人材の不足
DXを推進するためには、デジタル技術に関する高度な知識やスキルを持つ人材が欠かせません。しかし、DX人材は社会全体で枯渇しています。さまざまな業種においてDXが推進されていますが、多くの企業でデジタル技術に詳しいDX人材の確保に苦労しています。自治体においても同様で、DX人材の採用は簡単ではありません。
また、現在勤めている職員をDX人材として育成することも困難な状況です。現職員は申請受付や住民からの問い合わせ対応など多くの既存業務を抱えているため、研修等を行いITに関する知識やスキルを習得する時間を確保することは現実的に難しい場合が多いです。自治体DXを推進するうえで、デジタル技術に精通した人材の確保は大きな課題と言えます。
根強く残る紙ベースの業務フロー
引越しや出産などライフイベントごとに必要な各種届出は、紙による申請が一般的でした。そのため自治体においては紙による申請をはじめとした、ハンコの使用や書類での保管など紙ベースの業務フローが根強く残っています。
自治体DXを進めるためには紙での手続きを減らし、書類や資料は電子データへと移行していく必要があります。しかし手続きのオンライン化への抵抗や電子データ化のための作業負担などから、紙を使用する業務形態からの脱却は難しい状況です。
NTTネクシアでは、紙の書類・資料をシステムに入力する等の事務作業を代行するBPOソリューションをご提供しています。
デジタル技術活用に対する市民・住民の理解度の格差
DXを推進するためには、職員がデジタルツールに慣れることに加えて、市民の理解を得る必要があります。住民側に「どのようなメリットがあるか」を正しく伝えられなければ、自治体が行う住民サービスが浸透せずDXの効果が得られません。自治体DXのメリットを住民目線で示し、利用者が積極的に利用できる環境を整えることが大切です。
また、自治体が行う住民サービスの対象は基本的に住民全員となるため、なかにはデジタル技術の活用に抵抗や不安を感じる方が存在します。特に高齢者はインターネットに触れる機会が少ない方も多いため、DX推進を行う際に適切なサポートが必要です。デジタルツールに不慣れな方に対するサポートも含めて、住民と自治体がDX推進の目的を共有していくことが重要です。
自治体DX推進においてBPOを活用した先進事例3選
自治体DXの課題を解決する手段として、外部企業に一連の業務を委託する「BPO」の活用が注目されています。そこで、この章ではBPOを活用した先進事例を3つ紹介します。
- 問い合わせ受付窓口・電話番号の一元化
- 手続きのオンライン化
- AIチャットボットによる時間外対応(相談)
活用したデジタル技術や得られた効果などを以下にまとめましたので、自治体DXにおける課題でお困りの方は参考にしてみてください。
問い合わせ受付窓口・電話番号の一元化
NTTネクシアの事例をご紹介します。町田市さまでは、新市庁舎への移転を控えた2012年に、住民の利便性向上をめざすうえで、ワンストップサービスへの移行が課題となっていました。そこで問い合わせ窓口の統合を図るため、コールセンター業務に精通したBPO受託事業者であるNTTネクシアへプロポーザル方式での選定を経て外部委託を行いました。NTTネクシアの経験とノウハウを活かすことで、1つの電話番号であらゆる問い合わせに対応できる統合型のコールセンターを構築しました。
町田市さまの課題であったワンストップサービスへの移行はスムーズに行われ、課を横断した自治体全体の業務効率化につながりました。また同時にシステムの最適化を行い、自治体における事務作業の効率化に成功しています。NTTネクシアではコールセンターに届いた住民からの声をナレッジとして管理し、業務の平準化と効率化を図るとともに、FAQシステムの改善にも貢献しました。電話応対業務のBPOをご検討中の自治体さまは、以下のリンク先の事例を参考にしてみてください。
手続きのオンライン化
自治体の行政手続きのオンライン化は、住民の利便性向上と自治体職員の窓口業務負担を軽減できます。加えて届出内容がデータとして蓄積されるので、申請状況の確認が容易になるなど自治体にとってのメリットも大きいです。デジタルデバイスに不慣れな方は来庁して手続きを行うケースもあるため、その場合は専用タブレットを用いて窓口でオンライン手続きのサポートを行います。
また、各種手続きを行う際にマイナンバーカードの利用が可能です。住民票の写しや印鑑登録証明書など、公的な証明書をコンビニエンスストアで取得できます。さらに公金受取口座と紐づけを行えば、給付金など受給する際に金融機関情報を都度提出しなくて済むためスムーズに受け取れます。
AIチャットボットによる時間外対応(相談)
AI技術を活用し、いつでも気軽に時間外の相談を行える仕組みづくりを行いました。よくある質問にはAIによる自動応答で回答し、複雑で難しい問い合わせには人が対応します。担当者は複雑な問い合わせに集中できるため、高品質な時間外相談・対応を実現しました。
AIチャットボットを提供するBPO受託事業者と自治体が協力することで住民がいつでも気軽に相談でき、安心して暮らせる環境を提供できます。AIチャットボットであれば複数の問い合わせを同時に受けられるので、回線のつながりにくさを解消し、いつでも相談できる環境を整えられます。
BPOを活用して自治体DXを推進する3つのメリット
自治体DXにBPOを活用するメリットは、以下の3つがあります。
- リソース確保
- コア業務への集中
- 環境変化への迅速な対応
自治体DXを推進するためには、現状の課題を解決する必要があります。自治体のみでは解決できない課題でお悩みの方は、下記のBPO活用のメリットを参考にBPOの導入を検討してみてください。
リソース確保
BPO受託事業者は業務に関する豊富な知識と高いスキルを持つ人材が揃っているため、採用や教育にかかる手間やコストを抑えてDX推進の体制を整えられるのがメリットです。BPOを活用することで、自治体DX推進に欠かせないデジタル人材やシステム導入などのリソース確保が容易になります。
また、ペーパーレス化や窓口業務の効率化に適したデジタルツールやサービスを提供してくれるので、自治体の課題に合ったシステム構築が可能です。さらにBPO受託事業者のノウハウや知識を有効活用できるので、自治体における課題を解決し効率よくDXを進められます。
コア業務への集中
自治体業務には住民サービスに関するコア業務以外にも、自治体内の総務・労務(給与計算など)などの非コア業務が多数あります。非コア業務にBPOを活用することで、自治体職員はコア業務へ集中できます。自治体職員がコア業務に集中できることで、住民サービスの品質向上と業務効率化が可能です。
また、自治体には日々多くの住民からの問い合わせが入ります。他の業務と並行して問い合わせ受付を行う場合が多く、自治体職員の負担は大きくなっています。
NTTネクシアでは、自治体さまの課題に合わせてさまざまなソリューションの提供が可能です。これまでの経験を活かし、人材不足解消や質の高い電話応対など課題解決のサポートを行います。電話業務に関するDXを検討中の自治体さまは、お気軽にNTTネクシアへご連絡ください。
環境変化への迅速な対応
時代とともに住民のニーズは多様化しており、自治体においても日々変化する環境へ対応していかなければなりません。そのためには住民から寄せられる声を分析し、市民サービスに活かす取り組みが必要です。データ活用を得意とするBPO受託事業者であれば、問い合わせ内容の収集・分析までを行い住民ニーズを正確に捉えられます。
また法改正があった場合は、変更点など正確な情報を収集し正しく理解して業務を行う必要があります。システム改修や業務フローの改正など一括して請け負ってくれるBPO受託事業者であれば、社会の環境変化に迅速な対応が可能です。
まとめ
労働人口の減少や環境変化への対応などによって、自治体のDX推進が求められています。しかし人材不足や根強く残る紙ベースの業務フローなど、さまざまな課題を抱えており思うように進んでいない自治体も多いです。
そこで、専門的なノウハウを持つ企業に外部委託する「BPO」が注目されています。業務に精通した人材や業務効率化につながるシステムを持つBPO受託事業者に委託することで、高品質でスピーディな自治体DXを実現できます。
NTTネクシアではこれまでに培った経験を活かし、電話応対業務及び不随する業務に関する自治体DX推進のサポートが可能です。オペレーターによる高品質な電話応対に加え、チャットやボイスボットなどデジタル技術を活用した問い合わせ受付の自動化にも対応できます。自治体の課題に寄り添ったサービスの提案と、経験とノウハウを活かした質の高い住民サービスを実現します。自治体業務におけるDXを検討中の自治体さまは、お気軽に「NTTネクシア」にご相談ください。
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