【講演レポート】コストセンターをプロフィット化するCX戦略とは

  • #業務効率化

シェア

2023年8月22日〜9月24日に開催された「Digital Business Days -SaaS EXPO- 2023 Summer」にNTTネクシアが登壇しました。

昨今、顧客ニーズや接点の多様化によって、コールセンターは従来のコストセンターから、プロフィットセンターへと転換が求められています。そこで、NTTネクシアの実例やさまざまな市況の切り口から、CX戦略をもとにしたプロフィットセンター化について、営業企画部 営業戦略部門担当課長(日本コールセンター協会 情報調査委員)の川原宏之が解説しました。

CX戦略策定の要素

川原は最初に、CX戦略を策定するにはどうしたらいいのかという前提を説明しました。「CX」という言葉が出てくる以前は「CS」が重視されていました。ただ昨今は、CXの総量を押し上げていくことこそ、戦略的に重要であると考えられています。

ここで、CX戦略について川原が実体験をもとに身近な例を交えて説明しました。「認知」から「推奨」に至るまでの「行動推移」と「心の推移」を解説し、高位なCX戦略がされていることを紹介します。さらに、顧客ペルソナの緻密さを挙げ、そこには確実にVOCの収集・CRMの活用がされていることを述べました。

この身近な例をもとにコールセンターで考えた場合、コールセンターは顧客の生の声が集まる場所です。そのため、VOCとWebデータ(実際の売上・導線データ)を組み合わせることで、顧客ペルソナの精度向上が実現します。

また、顧客の大半がWebを活用していることから、デジタル化は必須です。ただ「緻密な顧客ペルソナ設計」の上に成り立たせることが重要であると川原は述べました。

さらに、コンタクトセンターにおいて、CX戦略を講じる際には「EX」にも注目する必要があります。コールセンター満足度とEXの関係を、コールセンター満足度ランキングと離職率を用いて説明しました。

以上から、CX戦略成功・センタープロフィット化のカギは「3つのXの相関関係」にあります。「DXで顧客接点の高度化ができているか」「またEXを押し上げて優秀な人材の維持ができているか」「EXの向上によってオペレーターが高度化・安定化してCXを押し上げられているか」。この循環サイクルでCXが成り立っていることを説明しました。

参考に、NTTネクシアが実施するコールセンタースコープを紹介。CX、DX、EXをスコープに入れながらコールセンターを運営していることを解説しました。

コンタクトセンタープロフィット化事例

次に、NTTネクシアでの事例紹介に移ります。最初に紹介したのが「SMS×コールによる申込離脱者囲い込み」の事例です。SMS送付後の顧客のWeb申込み離脱ポイントを明らかにして、関心の高い顧客に優先的にコンタクトセンターからアウトバウンドコールをすることで申込率の向上を実現しました。

これは、オペレーターによるフォローといったCX向上、DXの整備、備忘コールというストレスの少ない顧客対応や成功体験の蓄積によるEX向上、オペレーターの品質が上がることでのCX向上といったように、サイクルが循環し、成功している事例です。

2つ目の事例として、NTTネクシアでのインサイドセールス運営の事例を紹介しました。NTTネクシアは、コロナ禍における新たな営業スタイルとして、インサイドセールスセンターを立ち上げています。顧客接点ツールや分析ツールをDX化し、コールからモニタリングまですべて在宅コールセンター化して、東京・神奈川・北海道のオペレーターによる対応を実施しました。

その結果、9,000人の会社の内、10名未満の組織で、自社新規顧客接点の15%以上を創出しました。CXやEXを前提に、DXを活用し、自社の「痛点」を顕在化させることで、高度プロフィットセンター化を実現した事例です。

最後に、CX戦略の好事例として、川原の実体験をもとにした身近な事例を紹介しました。

最後に

プロフィット化を実現するCX戦略として、3つのX(CX・DX・EX)の相関性を把握した戦略策定がカギとなります。プロフィット化やCX戦略を講じる場合、同業他社の真似をするのではなく、自社の顧客ペルソナや自社のEXを俯瞰して、CXを考える必要があります。それにより、自社にマッチしたCX戦略・顧客に刺さるCX戦略の実行が可能です。

今回の講演資料・動画はこちらからダウンロードできます。内容に興味を持っていただけた方は、ぜひご覧ください。

当日の講演資料をダウンロード

シェア

ご相談やご質問など、
お気軽にお問い合わせください。

ご相談・お問い合わせはこちら